印刷技術がエレクトロニクスの未来を担う
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プレスリリース

2006/02/28

印刷技術がエレクトロニクスの未来を担う

ID Tech Ex, LTD.

印刷業界は世界的に不景気に陥っています。印刷の科学と製造の技術は過去数百年にわたり洗練されてきましたが、このまま尻すぼみに終わりを告げるのでしょうか?答えはおそらく「いいえ」です。とても興味深い分野に抜け道ができようとしています。それはエレクトロニクスにおける印刷技術です。

米国ではインターネットやライフスタイルの変化などにより印刷業界の多くが急激な経営難に陥っています。例えば若年層は新聞や雑誌よりもテレビやi-Pod、コンピュータを好みます。梱包業界でのポリエステル梱包、ラベル業界での粘着ラベルなど、ある程度の拡大は見られますが、いずれもとりわけ盛況とはいえません。印刷がこうしたすべてのことに影響を受けます。例えばラベルとして製造されるのはバーコードのたった5%にすぎません。ラベル業者がバーコードを梱包材や製品に付したラベルを製造するかわりに、現在は他の印刷の際にコストをかけずバーコードを直接印刷するようになりました。同業界にとってはほとんど利益が上がらなくなっています。

それゆえ、印刷における科学と製造技術の発展の時代は尻すぼみに終わってしまうのでしょうか。フレキソ、リソ、インクジェット、スクリーン、グラビアなど様々な技術を専門としているインクメーカーや機械メーカーなどは、100年前の蒸気エンジンの専門家のようになるのでしょうか?答えはおそらく「いいえ」でしょう。面白い分野に道が開かれようとしています。それはエレクトロニクスの印刷です。

このような議論がすすめられます。シリコンチップはほとんどすべての電子製品に組み込まれる優れた部品です。トランジスターやダイオードなど多くの小型コンポーネント、そして無数のワイヤ、コネクションなどにも用いられ、それゆえに以前は故障モードが非常に複雑でした。チップの小型化が進められる一方でほとんどもしくは全く費用の増加なしに益々複雑性が高くなっていきます。しかしシリコンチップはできうるすべてのものを組み込んでいます。つまりディスプレイやバッテリー、アクチュエーター、アンテナなどの大型コンポーネント、そして大型キャパシターやレジスターにさえ、旧式の方法で接続しなければならないということです。これにはすべてコスト追加と相互接続状態での多くの故障モードが伴います。実際、完成品のサイズにはチップが小型であるのメリットは反映されておらず、スマートパッケージングなどにおいては大きすぎることもあります。

さらにこんな話もあります。最もシンプルなシリコンチップのコストはこの何十年全く変わっていません。またチップ製造工場のコスト面の急激な増加−現在一工場あたり3億ドルですが−および研究開発支援費の増加のしわ寄せが将来くるでしょう。我々は使い捨て可能な薄型のエレクトロニクスを様々な分野で必要としています。例えば、ミスなく薬剤を送達できるスマートスキンパッチから、人間とのインターフェースによって、食品や薬品を開封、あるいは加熱した日付を記録する自律調整型の使い捨て血液検査・インスリン検査・妊娠検査機器、そして壁紙テレビ、制御可能な壁紙照明などにいたるまでさまざまものがあります。また、暗闇で車の外側が光り、表面がインジケータランプの2倍の光を放つようになるとますます安全になるでしょう。車全体をラミネート加工すれば、太陽エネルギーを蓄積し緊急時に赤く点滅させることができます。シリコンチップはこうしたすべてのことについて対応が困難です。シリコンチップは光起電性パネルといった形でエネルギー生成に用いられますが、構造が脆弱であるため高速道路や建物で必要とする何キロメートルもの発電テープを低コストでつくるまでには至らないのです。つまり、我々はかなり安価で融通性があり薄型の電子・電気の融合製品を必要としているのです。そこでプリンターが求められるわけです。

シリコンチップを製造するにはいわゆるフォトリソグラフィを必要とすることは事実です。しかしこれは光学的エッチング技術で、プリンターのオープンリールのリソグラフ加工とは全く共通の技術がありません。総称してプリンテッドエレクトロニクスと呼ばれる電子と電気の新たな形態はフラットベッド、インクジェット、輪転印刷という既存の形態を改良することにより可能になるものです。従来のスキルをみな必要とし、それによって真に衣服や梱包、本、医療など様々な分野で真に広範囲なエレクトロニクスが実現するわけです。プリンテッドエレクトロニクスはディスクリートコンポーネントやそれに接続するためのワイヤだけでなく、それに付随する分野からもシリコンチップを追いやることになるでしょう。しかしそれはプリンテッドエレクトロニクスのほんの一部にすぎません。映画「マイノリティ・リポート」でも、カラーの動画像が用いられ、コーンフレーク型のパケットから音声で通信していました。使い捨て紙パックに関するインタラクティブゲームはすでに実社会で実証されており、さらに利用が広がることによってプリンテッドエレクトロニクスの発展を押し上げることになるでしょう。

それでは、それがどのように推移していき、またどのように印刷業界が関与するのでしょうか。下表は従来の印刷技術から否応なしに置き換わる大型のフレキシブルカラービルボードなどを表しています。同じことが後にほとんどのパッケージングで起こるでしょう。それゆえに、印刷業界にはこれら新たな印刷アプリケーションへの関心を高めるにあたり、あめとむちの両方で対応しなければなりません。


Source IDTechEx

プリンテッドインターコネクトおよびバッテリー付きのAveso製フレキシブルプリンテッドエレクトロクロミックディスプレイ。プリントされた代替品が出てくるまではシリコンチップが用いられる。

Source Aveso
100 MBのプリンテッドメモリ。潜在的には1 GB。


Source Thin Film Electronics AB

これらほとんどの場合において、ファインシルバー導体やセラミック誘電体、銅ドープ燐、有機・無機の半導体、および保護層といった様々な新しいインクについての多くの利用法があるこがわかります。低温硬化、定義の明確化、層の薄型化、および継続性が課題となっています。しかし100億規模をゆうに超えるこうした構造は−そのほとんどがポリエステルフィルムあるいはペーパーですが−すでに販売されており、毎年最大10兆のバーコードがプリンテッドチップレスRFIDに置き換えられるほどの可能性を秘めています。バーコードはものに直接印刷されるようになり、大量生産ではラベル作成に予算をかけなくなるでしょう。

下記は、IDTechExによる印刷技術に関連するRFIDの2016年の世界市場予測です(単位:10億米ドル)。

  • 品目の一部にプリンテッドタグを導入:44億米ドル
  • 品目すべてに完全にプリンテッドタグを導入:11億米ドル
  • 他の用途に一部プリンテッドタグを導入35億5,000万米ドル
  • 他の用途にプリントなしのタグを導入18億米ドル

Source IDTechEx

Sun Chemicalなど古くからのプリントインクメーカーやMAN Rolandなど従来の量産印刷機メーカーがプリンテッドエレクトロニクスの分野に大幅に進出していることもうなずけます。彼らはプリンテッドエレクトロニクスがシリコンをはるかに凌ぎ、結果的にかなり大きな市場になることを知っています。層状燃料電池や帯電防止シールドなど、単にシリコンに置き換わるだけではなく、新たな市場を作り出すことになるでしょう。事実、シリコンチップ産業はボタン電池業界のようにギフトカード分野から追いやられていることに気づかないかもしれません。プリンテッドエレクトロニクスは他にも様々な成果を生み出すからです。

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